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2012年2月

2012/02/29

モーツァルトが去ってロッシーニが登場した

モーツァルトが死んだ翌年、
1792年の2月29日にロッシーニは生まれ、
モーツァルトの生涯とほぼ同じ長さだけ、
作曲家人生を満喫し、後は美食に捧げる老後だった。
ナポレオンが去ってロッシーニが登場した!
と言ったのはスタンダールだった?らしいが
モーツァルトが去ってロッシーニが登場した!
という言い方もあるかもしれない。

2012/02/28

『最高の人生をあなたと』イザベラ・ロッセリーニも還暦か~

昨夜は文化村ル・シネマで映画
『最高の人生をあなたと』を観た。
あまり話題にもなっていない地味な作品だけど、
監督の前作『ぜんぶ、フィデルのせい』が
大好きなので、今回もそれなりに期待はしていたが~。
(ル・シネマはリニューアル後、番号順から
指定席制度になっていた)

主人公はロンドンに暮らし、
まもなく還暦(60歳)になろうとする主婦。
夫は有名建築家で3人の子供は独立し孫にも恵まれた。
他人からすれば恵まれた人生だ。
しかし、自分を犠牲にしてまで家族のために
30年生活してきた彼女に残されたのは老いへの怯え。
老眼鏡をかけないとアイメイクができない、
水中エクササイズでリズムにのれない、
満員のバスで若者から席を譲られる…、
それでも、彼女のなかの女は終わってはいない。
若い男の視線も気になるし、
いい男にはときめきもする。
しかし、周囲は自分を年寄り扱いするし、
多少の自覚症状もあるのだ。
いっぽう同年代の夫も建築家としての自分が
時代遅れになっていることに焦りを感じている。
まだまだ老後ではないが、若くもない夫婦。
互いが鏡を見ているようで、
家庭内は微妙な雰囲気になり、ついには……。

まぁ、最後はハッピーエンドになるだろうと
予想できる展開なので観ている方は安心。
主婦を演じたイザベラ・ロッセリーニの
コミカルな演技が微妙にせつなく、
ときの流れを感じてしまった。
『ブルー・ベルベット』からもう25年以上が経つんだ。

2012/02/27

小説『野いばら』花と音楽が好きな人には特にお勧めの傑作です!

Photo

バラが好きで、三流ローズグローワーを目指しながらも
日本の野バラがヨーロッパのバラ改良の原種であることなど、
まったく知らなかった。
1860年頃日本からヨーロッパに伝わったそうだ。
では誰がどんな理由で野バラを
日本から持ち出したのだろうか?
そんな歴史ロマンを幕末を舞台に
イギリス海軍情報士官と攘夷派に通ずる女性の
悲恋を絡めて描いた小説が『野いばら』
(梶村啓二 日本経済新聞出版社)だ。

醸造メーカーのバイオ事業部に所属する縣和彦
(サントリー?)は、
花の種苗会社の買収工作に長年携わり、
ヨーロッパ各国を飛び回っている、プラントハンター。
ある日、イングランドの田園地帯で
日本的美意識に貫かれた庭園に出会い、
そこの女主人から「一八九六年、ウィリアム」と表紙に
書かれた古いノートを差し出される。
できれば日本人に読んで欲しいというのだ。
それは薩摩藩の武士がイギリス人を殺傷した
生麦事件(1862年9月)の直後に赴任してきた
イギリス軍人の滞在日記だった。
徹夜で日記を読む縣。
読者もまた彼と同じようにウィリアムの
一人称で綴られた緊張と優美の世界に引き込まていく。
とにかく日本語が美しい小説であり、
含蓄に富んだ文章が随所に散りばめられている。
たとえばウィリアムがお寺で
バッハの無伴奏パルティータを奏でるシーンがあり、
眼を閉じるとその情景が浮かんでくるようだったが、
彼はその後こう綴っている。

音楽と花は似ている。
ひと時のあいだだけ虚空に咲き、漂い、
消えていく幻のような美しさ。
その流れ去る美しさはとどめようがない。
しかしその美は繰り返し再生可能な生命の永遠性につながっている。
それが音楽であり、花であると。
一瞬でありながら永遠であるゆえにわたしたちはそれを愛するのであると。

幕末の野バラが21世紀にヨーロッパで咲き誇り。
300年以上前にバッハが残した旋律に
今僕らが心震わせるという永遠性。
そこに著者は命の儚さと輝きを感じている。

イギリス軍人が堕ちてしまった許されざる恋。
そして世話役の武士との緊張感溢れる会話、
一発触発の日英関係など、
読み出したらもうやめられなくなる展開の連続。
梶村啓二さん、素晴らしい才能の作家登場だ。

2012/02/24

有元利夫さんと舟越桂さんの版画展、始まりました

昨日午前中に健康診断でバリウムを飲み、
今日の朝にやっと「開通」しました。
もちろん医者から下剤をもらったけど、
歳を取ると薬の効き方も鈍くなるのでしょうか?

Arimoto
画家が己のスタイルを確立するまでの
苦悩と喜びが綴られていて、
美術館に足を運ぶことが好きな方に
ぜひ読んで欲しい良書だと思います。
1,000円+税

今日は午前中、渋谷・文化村1階の
ギャラリーで開催されている
有元利夫さんと舟越桂さんの版画展
『飛翔する二つの旋律』を観てきました。
舟越桂さんは現役で活躍されているので
作品に触れる機会は多いのですが、
1985年に38歳という若さで夭折した
有元さんの作品はなかなか観るチャンスがありません。
僕は2010年の夏に目黒の庭園美術館で開催された
個展以来の嬉しい再会でした。
有元さんはイタリアルネッサンス期のジヨット、
フランチェスカや、日本の古仏、「平家納経」などを敬愛し、
それら「古典」や「様式」のもつ力強さに影響を受け
独自の表現世界を切り拓いた画家です。
その独特の画風にファンも多かったのですが、
早すぎる死が惜しまれます。
今回の展示はリトグラフなどの版画作品ですが
タブローとはまた異なった雰囲気が感じられました。
そしてリスナーの方にぜひご紹介したいのが
有元さんの評伝
『早すぎた夕映』(米倉守 青月社)です。
この本、一般書店ではなかなか探せないのですが、
ギャラリーで販売していました。
僕は2010年の会場で購入し、1度読んでいますけど
今日その作品に触れて再読したくなりました。
3月4日(日)までの開催
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/

2012/02/23

ブルース・ウィリスはウオツカメーカーの経営者でもあった!

Sobieskivodka_5
ウオツカを飲むと話し上手になれる!
なんとも嬉しくなる記事をネットで見つけた。
アメリカの大学の研究チームが
法的に飲酒運転にならない程度の
ウオツカを飲んだ人と、
まったく飲んでいない人を対象に
言葉に対する反応を実験したところ、
飲酒組の方が会話のリズムがよい、
というデータが得られたそう。
少しリラックスしたほうが脳の回転も
舌の動きもスムーズになるということで、
オッターヴァ・ルームの冷蔵庫にウオツカを
冷やしておけば、プレゼンターのトークも
“より”弾むかもしれない?
もっとも、飲酒運転にならない程度の酒量では
僕には効果は期待できないですけどね。
日本の法律はアメリカよりはるかに厳しいですし。
詳しくは下記のサイトで
http://topics.jp.msn.com/digital/gizmodo/column.aspx?articleid=887822

ところで、ブルース・ウィリスが社長
(たぶん共同経営者の一人)を務める会社で
作られているウオツカがあることを先日知りました。
ポーランドの「ソビエスキー」というブランドで、
その名は17世紀の偉大な国王に因んでいるとのこと。
ブルース・ウィリスがどのようないきさつで
経営に参加したのかは不明ですが、
まじめにコマーシャルにも登場してますよ。
下記のサイトで動画チェックできま。
http://www.youtube.com/watch?v=uNiGYCMCAJU
http://www.youtube.com/watch?v=eg4cdUYg-As&feature=related

2012/02/22

由紀さおりヒットの源に山田耕筰あり、という番組を観ていた

昨夜、由紀さおりさんを取り上げた番組を観ていた。
由紀さんといえば、デビューした1969年に世界でヒットした歌を
ジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したCDが、
アメリカ・カナダ・イギリスなど世界各国で、
音楽チャートのトップを飾り、
コンサートも大人気ということがかなり話題になっている。
彼女が歌うのはほとんどが日本語の歌詞。
意味も分からないのになぜ欧米人にこれほどまで支持されるのか?
番組ではその謎にさまざまな角度から迫っていて、
とても興味深い内容だった。
もちろん、由紀さんの歌が言葉の壁を越えて支持されたのは
彼女の歌唱力、声の美しさが一番の要因なのだが、
(フォルマント、というのが人の2倍なのだそうだが
そのあたりの放送はよく理解できなかった)
番組では日本語の特長にも注目していた。
僕なりに要約すると以下の通り。
①日本語は英語に比べ同じ長さの旋律に収められる
 言葉の数が少ない。よって一言一言がゆっくり発せられ
 聴く人に安心感を与え、歌詞の背景を想像させやすい。
②日本語は英語に比べ母音の数が多い。母音は人の感情に
 結びつくものなので聴いていて心地良い。
日本語を正しく歌えば、外国の人の琴線にも触れるというのだ。
さらに番組では日本語の歌曲にこだわった山田耕筰の
ことも紹介していた。
ドイツ留学経験もある山田は日本語を西洋の旋律に
どう併せるかに苦心し、
1(日本語)+1(西洋の旋律)=1(新しい音楽)
 という結論に達した。
そして日本語の美しさや抑揚を生かした歌曲を目指し、
ひとつの音符にひとつの文字をあてはめてる「一音符一語主義」
により歌いやすく、美しい名曲を残した。
つまり山田耕筰も由紀さおりさんも
日本語の意味と美しさにこだわったからこそ、
世界で認められたということなのだろう。
由紀さん、次は山田耕筰の歌曲で
世界を魅了してください!

2012/02/21

『ピュリツァー賞受賞写真全記録』一瞬が告発し続ける時代の迷走

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ネット時代だからこそ、
本書のような資料価値、保存価値の
高い写真集が紙で出版される意義は大きいと思う。
3,800円(税別)




最近、毎日少しずつページをめくっている1冊が
『ピュリツァー賞受賞写真全記録』
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
ピュリツァー賞は1917年にアメリカの〝新聞王〟
ジョゼフ・ピュリツァーが創設。
写真部門は42年に設立されたが、
この1冊には42年から2011年までの受賞作品と
丁寧な解説が掲載されている。
第二次大戦、ベトナム戦争、朝鮮戦争という大戦から
紛争時代への変化、虐殺、難民、飢餓。
そして黒人差別、格差社会、銃社会、テロリズム。
1枚1枚の写真が20世紀後半から21世紀に
かけた時代の迷走を雄弁に物語っている。

写真はもちろん文章にも驚かされることが多い。
たとえば、1967年、黒人人権活動家の
ジェームズ・メレディスが狙撃された瞬間を
とらえた写真が受賞している。
幸いメレディスは一命をとりとめたが、
「殺意を認めた」犯人(おそらく白人)は
1年半ほどの服役に処せられただけだというのだ。
司法の人種差別なのだろうか?

この賞を受賞した日本人カメラマンは3人。
浅沼稲次郎日本社会党書記長が右翼少年に刺殺された瞬間を
とらえた長尾靖(61年)。
ベトナムで水の中を逃げまどう親子を写した沢田教一(66年)。
豪雨の中で砂袋の上に横たわる兵士を写した酒井淑夫(68年)。
そして(おそらく)日本人として唯一人被写体となったのは
2007年にミャンマーで凶弾に倒れたジャーナリスト
長井健司だ。
それにしても、
ロバート・キャパもカルティエ・ブレッソンも
ピュリツァー賞を受賞していないというのは意外だった。

版元のホームページで何枚か写真を確認できる。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/sp/pulitzer/

2012/02/20

『エドガー・ソーテル物語』スティーヴン・キングが絶賛した傑作小説です

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『エドガー・ソーテル物語』
(デイヴィッド・ロブスキー NHK出版)
紀伊国屋、新宿高島屋店の店長さんが
推薦していた1冊。
3,800円(税別)とやや高いが、
後悔はしないと思う。

これはよくある人と犬の愛情物語ではない。
犬と人の美しくも残酷な物語だ。
舞台はアメリカ中西部、
ウィスコンシン州の北部にある広大な農場。
この土地で3代にわたり犬のブリーディングを
している家族の歴史が描かれている。
創始者のジョン・ソーテルは犬の交配を重ね、
「ソーテル犬」という新たな犬種を作り出すことに成功した。
彼の孫、エドガー・ソーテルは生まれつき
言葉を話せないというハンディを持ちながらも
犬の飼育に天賦の才能を発揮し、
犬たちもまた特別な気配りをもって彼に接してくれる。
親子3人と犬たちの幸福な日々。
だがそこに招かれざる客が侵入してくることで、
エドガーの人生は大きく狂わされた。
彼は新天地を求め3匹の愛犬と旅に出る。

スティーヴン・キングも絶賛したこの小説は
発売時の注目度は低かったものの
6ヶ月で140万部を突破するベストセラーとなった。
その理由を勝手に推測するなら、
恐らくアメリカ人が大好きな2大テーマ
「厳しい自然」と「あてのない旅」を
うまくミックスさせているところにあるような気がする。
ヨーロッパは時間の文学。
アメリカは移動の文学。
そんな教えを改めて思い出した1冊だ。

700ページ以上のこの長い小説は
各章ごとに語り手が分かれている。
なかにはエドガーのもう一人の母親とも言える犬、
アーモンディンの視点も含まれる。
全編を読み終えた後、このアーモンディンの章だけを
読み直してみると、小説の肝が理解できたような気がした。
犬の心をこれほど丁寧に描いた小説をほかに知らない。
犬と会話できるわけではないが、
なんとなくそんな気にさせられた。

2012/02/17

ルドンの『蜘蛛』を観て、宮崎アニメのススワタリを思い出す

今日は午前中、丸の内の三菱一号館美術館で
『ルドンとその周辺─夢見る世紀末展』を観てきた。
19世紀末から20世紀にかけ、
シュルレアリスムを先取りする幻想的な世界を
表現し後世に大きな影響を与えたルドン。
黒の世界で知られる彼が華麗な色彩を手に入れるまでの
画業を追えるような構成になっていて
かなり見応えがあった。
個人的には艶やかなパステル画よりも
やはり黒い作品に惹かれる。
特に第一版画集『夢の中で』が好き。
ルドンは『蜘蛛』を繰り返し描いているが、
目玉から足が何本も伸びている、
その可愛いようで不気味な姿は、
どこか宮崎駿作品に登場してくる
「ススワタリ」に似ていた。
ところで武満徹もルドンの黒に惹かれ、
代表作『目を閉じて』にインスパイア
された曲を書いている。
ルドンはヴァイオリンを弾き、
音楽を愛したが特にワーグナーの大ファンで
楽劇から影響された作品も残している。
3月4日(日)までの開催。
展覧会公式サイト
http://mimt.jp/redon2012/

昨年6月に『日曜美術館』で放送された
諏訪敦さんを追ったドキュメンタリー
「記憶に辿りつく絵画~亡き人を描く画家~」が
19日(日)の朝と26日(日)の夜に
再放送されます。
詳細は以下のサイトで
http://www.nhk.or.jp/nichibi/

2012/02/16

東京国立近代美術館が開館60周年の記念手帳を配布

現在、ジャクソン・ボロック展が開催されている
東京国立近代美術館は今年が開館60周年。
これを記念して来館者に数量限定の
60周年記念手帳(非売品)を無料配布するそうです。
内容は、展覧会やイベント情報のほか、
同館のトリビアも載せたスケジュール帳で、
ジャクソン・ボロック、原弘、岸田劉生、上村松園の
作品をカバーにあしらい4種類を用意。
1日1種を日替わりで進呈するとのこと。
また春には60周年記念切手の発行も予定されています。
7月30日~10月15日はリニューアルのため休館するが、
8月は美術館の前庭で夜間イベントを開催。
リニューアル後の10月には60周年メーンイベントが開催されます。
記念手帳、ちょっと気になります!
詳しくはこちらのサイトで。
http://www.momat.go.jp/momat60/

2012/02/15

『オランダの光』フェルメールが描いた光の謎を探るドキュメンタリー

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昨日フェルメール展の話をしていたら
無性に観たくなった映画が『オランダの光』
というドキュメンタリー。
日本では2004年に公開され、
その後DVDにもなり僕は迷わず購入した。
それほど面白い作品だ。
レンブラント・ライトという言葉もあるように、
フェルメールなど17世紀オランダ絵画の巨匠たちが
遺した傑作の多くには、独特の陰影を持つ
オランダならではの自然の光が大きく貢献している。
しかし、ドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイスは
1950年代に行われたエイセル湖の干拓が
地形と海面の面積に変化を及ぼしたため、
そのオランダの光が失われてしまったと指摘した。
九州とほぼ同じ広さのオランダは、
国土の多くをポルダーと呼ばれる干拓地が占め、
国土の1/4は海面下に位置している。
そのため、国民は常に水の被害に悩まされてきたが、
オランダ政府は1950年代、北海沿いに並ぶ島々を
洪水防波堤ですべて結ぶデルタ計画を明らかにし、
35年をかけ工事を完遂した。
しかし、光を反射させていた水面の面積が減ったために、
オランダの光が失われたしまった、
とボイスは指摘したのだ。
果たして“オランダの光”は、本当に失われてしまったの?
そもそも“オランダの光”など、本当に実在するのだろうか?
本当にある自然現象なのか、それとも神話に過ぎないのか?
そんな疑問を解くために、
この映画では芸術家、物理学者、気象学者、
あるいはヨーロッパ諸国を走るトラック運転手などに
インタビューしそれぞれの見解を引き出していく。
そしてこだわりぬいた美しい映像。
何度見ても飽きない、
新しい発見のあるドキュメンタリー作品だ
レンタルもされている。

フィンセント・ファン・ゴッホの代表作の一つ、「星月夜」。
オリジナルの油絵タッチを生かしたままアニメーション化し、
触れて変化をつけられるインタラクティブなアート作品です。
こちらでチェックしてみてください。
http://vimeo.com/36466564

2012/02/14

『カフェ カラス』ヴァイオリン工房が居心地のいいバーになった

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そんな情報を得たのでさっそく昨夜行ってきた。
場所は渋谷・富ヶ谷交差点のまさに角。
立体歩道橋を歩いていると、
瀟洒な2階建ての一軒家が確認でき、
壁には「カラス」をあしらったネオンサインが光る。
周囲は大規模な工事の最中だが、
そこだけぽっかり浮かんだ異空間への
入り口のようで吸い込まれるようにドアを開けた。

1階はカウンターとテーブル席で
カジュアルな雰囲気。
2階は大きなヴィンテージソファが
ゆったりと配置され、ラウンジのような趣だ。
ヴァイオリンやコントラバス、
そしてヴァイオリン製作に必要な道具が
さりげなく飾られていた。

オーナー、井筒功さんはアメリカで修行した
ヴァイオリン職人さんで
元々はこの場所を工房兼住居にしていたが、
移転したため、自らの手でバーに改装したとのこと。
緊張と弛緩を同時に味わえるような
不思議な魅力の空間センスだと思う。

渋谷や新宿で食事をした後、
もう一杯、のつもりで立ち寄り
ついつい長居してしまいそうな店だった。
家の近所にあればなぁ~。

カフェ カラス
渋谷区富ヶ谷2-45-21
03-5738-0511
18:00~25:00(金・土は~27:00)
日曜休み

2012/02/13

三谷幸喜の『90ミニッツ』やや期待外れ

90
土曜日にパルコ劇場で『90ミニッツ』を観た。
作・演出は三谷幸喜、
演じるのは「東京サンシャインボーイズ」
時代からの盟友、西村雅彦と近藤芳正。
昨年の上演が大好評だったので、
急遽再演が決まった話題作だ。
チケット発売当日の朝10時前からパソコンの
前で待機してなかなか繋がらない回線にイライラ
しながら苦闘すること30分。
(たぶん)奇跡的にゲットできた
プラチナチケットだった。
で、会場に行って席を探したら最後列の隅で、
役者の表情など分かるはずもない。
近くではVTRをまわしているスタッフがいて
かすかに漏れてくる明かりも気になる。
これで最前列と同じ料金(8,000円)というのも
やや納得ができないが、
まぁ、芝居が面白ければいいやと
自分を説得したわけだが~。

『90ミニッツ』は三谷幸喜が笑いを封印して
挑んだシリアスドラマ。
実際に起こった宗教問題をテーマにしている。
9歳の少年が交通事故にあい大学病院に運ばれた。
西村雅彦が演じる医師は子供の父親(近藤芳正)に
輸血手術の承諾書を取ろうとするが、
父親は宗教上の理由でそれを拒否。
90分以内に手術をしなければ子供は死んでしまう。
「輸血しないで手術して欲しい」
「同意書なしで手術して欲しい。でもあなた訴える」
タイムリミットが迫るにつれ父親の主張は
二転三転し、振り回される医師。
医師としての出世を諦めても他人の子供を救うべきなのか。
神の教えに背いても実の子を救うべきなのか。
どちらかが信念を曲げなければいけない時間は
刻々と近づき~。
と、かなり張詰めた展開なのだが、
話が単調で後半はやや辛かった、というのが正直な感想。
最後の父親のセリフも安易なオチだったと思う。
手術する、しないという本筋とは別に
もうひとつ伏線というかドラマを用意して欲しかった。
2人芝居で、舞台装置も地味なんだから
8,000円は高い!
パンフレット1,500円もね。

2012/02/10

今日のモデラートはリクエストを大募集です!

今日のモデラートは
リスナーの皆さんからのリクエストで
3時間30分を構成しようという大胆な企画です。
リクエストのコンセプトは「リラックス」。
好きな曲を聴いているときが
一番のリラックスタイムなので、
今聴きたい曲。
気になっている曲などをどんどんリクエストください。

リクエストは、大和ハウスのFacebookページ内にある、
大和ハウスとOTTAVAのコラボページ
「奏でる家」で既に受け付けていますので、
ぜひそちらからお寄せ下さい!
OTTAVAのHP左下にある「大和ハウス」の
バナーをクリックすると、
「奏でる家」のページにたどりつきます。

操作がよく分からない!
「奏でる家」のページにたどり着けない!
という方は番組のメールに
直接リクエストいただいても大丈夫です。
メールアドレスは
moderato@ottava.jp

おかげさまですでに多くのリクエストをいただいています。
僕の根拠のない予測では
3時台まではリクエスト曲でオンエアできそうですが、
残り1時間30分はまだまだ未定ですので、
リクエストよろしくお願いします。

2012/02/09

今日はセーターとクラシック音楽で身も心も暖かく!

Photo
ガンジーセーターです。
一応前後は合っていると思いますが、
逆に着てもそんなに違和感はありません。
ある意味リバーシブル?


今日、2月9日はNational Sweater Day、
セーターの日、なんだそうです。
WWF(世界自然保護基金)カナダが提唱するこのイベントは、
室内にいるときでもセーターを着ることで、
暖房の設定温度を下げ、電力節減、CO2排出削減などに
協力しようという呼びかけです。
人口が約3,400万人のカナダでは
「みんながセーターを着て設定温度を2度下げるだけで、
2.2メガトン、自動車30万台分のCO2を
削減できるかもしれない」と提案しています。
そしてカナダではネットで予約をすれば、
おばあちゃんのコールセンターから、
「ちゃんとセーター着なさい!」と
思いやりコールがかかってくるそう。
以下のサイトでチェックできますよ。

YouTube: National Sweater Day: Teaser

ということで、僕も今日は厚手のセーターを着て
放送することにします。
(スタジオは夏寒くて、冬暑いですけどね)
今日着てきたのはイギリスのチャネル諸島に位置する
ガンジー島に由来するガンジーセーター。
海で働く男たちを雨や風、波しぶきから守ってくれるように
女性たちが編み上げたセーターなんだそうです。
とても暖かいのですがひとつ困ったことがあります。
それは前後ろの区別が分かりにくいということ。
どちらを前に来ても違和感があるような、
無いような不思議なラインなのです。
これは漁師たちが暗闇でも前後を確認せずに、
すぐに着られようにとの気配りから生まれたもの。
もちろん現代の都市生活者用に
アレンジされているとは想いますが~。

今日はこのガンジーセーターを着て、
室温が上がるようような、
あるいは暖かい気持ちになれるような
音楽をたくさんオンエアしてみます。

2012/02/08

小説『キャンバス』歴史的絵画を巡るスリリングな人間模様。面白いです!

Photo
『キャンバス』
(サンティアーゴ・パハレース ヴィレッジブックス)を読む。
これは面白い!
スペインの天才画家は実の息子に
「自分の絵を盗め」と告げる!
画家の望みは果たしてどこにあるのか、
息子は犯罪に手を染めるのか?
そんなスリリングな冒頭に引き込まれ
一気に読み終えてしまった傑作だ。
問題の絵は「灰色の灰」というタイトルが付けられている。
プラド美術館が13,420,000ユーロ(日本円で14億円ほど)で
購入したその絵はピカソの『ゲルニカ』、
ダ・ヴィンチの『ジョコンダ』、
ムンクの『叫び』に匹敵するほどの価値があり、
プラド美術館が生きた作家の作品を買うのははじめてのことだった。
それだけの価値のある生きた神話的な画家なのだ。
だが、美術館でその絵を見た画家は
ほんの些細な描き損じがあることを発見し、
なんとか修復したいと思う。
だが、絵の所有権はすでに美術館にある。
そこで画家はその絵を盗み出せと息子に命令する。

一枚の歴史的絵画を巡る人間模様。
だが、本書の本当の魅力は
偉大な父と凡庸な息子の微妙な交流にある。
父の背中を追っても超えることはできず、
その顔に浮かんだ悲しみを知ることができなかった息子は
父が亡くなってから彼の本当の思いを知るのだが~。

2012/02/07

『テレビ局削減論』民放は3局で十分という大胆な提言ですが~

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『テレビ局削減論』(石光勝 新潮新書)を読んだ。
「民放3NHK1」の4大ネットワークへの転換、
つまり現状の民放5局のうち2局を
吸収、合併により減らしてしまうべき。
という大胆な提言から始まる1冊だ。
もっとも、テレビ局を減らすべき、
減らした方がいいという意見、認識は
肯定、否定はともかく
テレビ局およびその周辺にいる人間に
とっては目新しいものではない。
酒の席ではよく話題にのぼる。
だからこそ元キ―局の役員だった
著者にはより大胆で具体的な
方法論を展開して欲しかったのだが、
そこは正直もの足りなかった。
民放を5から3に減らすというが
どの局がなくなるのか、
どの局とどの局が吸収・合併するべきなのか
という核心には触れていない。
放送局が減れば局の職員はもちろん、
下請け、孫請けのプロダクション関係者も
多くがリストラされることになるが、
その対策にも触れていない。
番組を一社提供するような
大手ナショナル・スポンサーの
多くが業績悪化に苦しんでいる現状では、
分母を減らしてもそのまま広告の増収に
繋がるとは思えない。
その他、法律の改正、新聞社との資本関係の問題
などについてもかなり遠慮しているなぁ、
というのが正直な感想だった。
ただ、途中で展開されていた
世界各国のメディア事情、
田中角栄が先導した5大紙と5大局の結び付き、
ネットが発信する情報とテレビが発信する報道の違い、
などの業界ネタは面白かった。

それにしても以前紹介した
『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)という本では
田中角栄の列島改造が結果として
ご当地ラーメンブームを誘発したとい説が書かれていたが
テレビ局と新聞社の資本関係の成立にも
彼が深く関与していたというから、
この政治家が戦後日本の有り様に与えた影響の
凄さを改めて思い知らされた。

2012/02/06

朝からスーパーボウル観戦

朝からスーパーボウルを観ていた。
こんなにまじめに観るのは
1989年のモンタナマジック以来だ。
それにしても黒人選手のタトゥは凄いなぁ。
かなり装飾的なのである。
でも白人クォータバックは両チームとも
白い肌がきれいで、
なんかアメリカらしいなぁ、と感心した。

2012/02/03

『ダ・ミケーレ』本場ナポリのピザを恵比寿で食べた!

ミラノに長年暮らしているカメラマンのK君は
食通でもあるが、彼の口癖が
「ピザはナポリでしか食べない」。
本場ナポリのピザは別格なのだろう。
そのナポリでも屈指の名店として知られているのが
『アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ』
1870年の創業以来ミケーレ一族により、
変わらぬ製法とスタイルを守り続け、
並ぶのが嫌いなイタリア人が唯一行列を作る
店として観光ガイドには必ず紹介されている。
"ピッツァの聖なる神殿"とさえ讃えられているそう。
この門外不出と思われてきた老舗ピザ屋さんが
初の出店先として選んだのが恵比寿。
つい先日オープンしたので昨夜行って来た。
予約は取らないとのことだったので、
6時半頃、行列を覚悟で訪れたが
(夕刻は5時半スタート)、
まだ先客は数組しかおらずひと安心。
「ボナセーラ」
「ピッツァ ペルファボーレ」と
スタッフの元気な声で迎えられ、
やや気恥ずかしい思いでテーブルに。
でもその30分後にはほぼ満席状態になった。

メニューは
野菜中心の前菜が数種類とピザのみ。
ピザもマルゲリータと
マリナーラ(トマト ニンニク オレガノ オイル)の
2種類だけ。どちらもトマト系だ。
1人1枚はオーダーしなければいけない!
(子供とお年よりはにはどう対応するのだろうか?)
2人で出かけたので、
両方食べたけど、何せデカイ!
切り分ける終わるころにはもう冷めてしまうのでは
ないかと心配になったほどだ。
確かに美味しいけど、モチモチしているので、
クリスピー系が好きな人にはつらいかも知れない。
まぁ、ゆっくりイタリア料理を楽しむというより
ピザをガツガツ食べて、ビールかグラスワインを飲んで、
お腹を押さえながら出てくる店というのが正直な感想。
滞在時間は45分ほどだった。

http://www.damichele.jp/

2012/02/02

『DOMANI・明日展』地味ですが、お勧めです!

今日は、国立新美術館で開催されている
『DOMANI・明日展』をご紹介します。
未来を担う美術家たち
そうサブタイトルが付いたこの企画展は
文化庁の研修制度によって、
海外研修へ行った作家が成果を発表する場。
実力と将来性を評価された新人たちの
登龍門のような意味合いの企画展です。
今回発表しているのは8名の方々。
写実絵画の塩谷亮さん、
廃墟の美を追求する元田久治さん、
不思議な写真世界を見せてくれる横澤典さん、
などなど新鮮な作品が多く見応え十分でした。
派手さはないですけど、面白い企画展です。
http://domani-ten.com/

2012/02/01

『宇宙人ポール』オタクとエイリアンのロードムービー、安心して笑えます!

Poru
年末から気になっていた映画、
『宇宙人ポール』を昨夜ようやく観る。
オタクとエイリアンの友情物語という
オバかな設定だが、理屈抜きに楽しめた。

イギリス人のSFオタク2人は
世界中のマニアが年に一度サンディアゴに集う
「コミコン」に参加し、
その後キャンピングカーでアメリカ西部の
UFOスポット巡りの旅を満喫していた。
ところが旅の途中で本物の宇宙人ポールと遭遇し
「故郷に帰る手助けをして欲しい」と頼まれてしまう。
ポールは60年ほど前、地球に不時着して政府に拘束され
研究材料となり、また助言も与えてきたという。
戦後アメリカのサブ・カルチャーを
陰で支えていたのはポールだったのだ。
スピルバーグの『E.T.』にヒントを与えたのもポール
(スピルバーグがカメオ出演している!)
しかし、いよいよ脳細胞を取り出されることになると知った
ポールは脱出し、2人のオタクに助けを求めたのだ。
食べ物の好みからスラングまで、
すっかりアメリカナイズされたポールに
「想像していたエイリアンとは全く違う!」と
戸惑うオタクだったが、
ジェントルマンの国の誇りにかけてポールを助けると決意。
エイリアンとオタク2人の奇妙な逃走劇が始まった……。
途中、若い女性が加わるが、
彼女は狂信的なキリスト教原理主義者。
神がダーウィンを撃っているイラストが書かれた
Tシャツを着ていて、ポールを見ると「悪魔!」と言って騒ぎ、
手を合わせて「アメージング・グレイス」を歌い始める。
エイリアンと遭遇する者と進化論を否定する者。
この対比はなかなか皮肉っぽい。笑えます!

始まって20分もすれば大よその展開と結末は予想でき、
大きく裏切られることもないけど、それはそれで、安心。
映画、SF映画のオマージュというかパロディが
散りばめられているそうだが、
『未知との遭遇』も『スターウォーズ』も『エイリアン』も
観ていない僕でも十分満足。
SFファンの人ならより楽しめるハズだ。

profile

清水 清

 テニス専門誌や幻の名雑誌といわれた『バッカス』の編集を経て、『エスクァイア』日本版編集部に。4年間を副編集長、5年間を編集長として在籍し、イタリアのスローフードやバリ、日本のBAR、沖縄、アートなど自分の趣味をそのまま誌面に反映させた特集に従事する。 『エスクァイア』退職後、4ヶ月間の石垣島生活を経て、現在に至る。座右の銘は「漂えど沈まず」。

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