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2010年1月

2010/01/29

現代アートのフェア『G-tokyo』

1月29日
日本のアートシーンを牽引する
15のギャラリーが初めて共同で開催する
現代アートのフェア『G-tokyo』が
30日と31日の2日間、
森アーツセンターギャラリーで開催されます。
アートフェアは日本でもだいぶ認識されてきましたが、
明確なコンセプトもなく作品を並べただけの
ワゴンセールのような会場も珍しくありません。
しかし『G-tokyo』は明確なテーマに基づいた
展覧会形式のユニークなアートフェアです。
規模ではなく質の追求を主眼とし、
国内トップの15ギャラリーが
ゆったりとしたブースにて、
個展または企画展形式のギャラリーショウを展開いたします。
ギャラリー小柳 小山登美夫ギャラリー オオタファインアーツ
シュウゴアーツ タカ・イシイギャラリー
現代アートの好きな方ならきっと訪れたことのあるギャラリーばかり。
個人的にはワコウ・ワークス・オブ・アートが開く、
ゲルハルト・リヒターの個展が楽しみです。

http://www.gtokyo-art.com

♪番組では、皆さんからの推薦本を募集しています。
特に、「旅に出たくなる本」「旅先に持っていきたくなる本」
そして「ベットサイド 枕元にいつも置いておきたい本」があったら
皆で情報交換しませんか。
メールアドレスは
moderato@ottava.jp

2010/01/28

今夜は火星観察。でも天気が心配

1月27日
リスナーの方から「旅に出たくなる本」として
小澤征爾さんの『ボクの音楽武者修行』(新潮文庫)を
推薦してもらった。
メールには
“半世紀も前に船でヨーロッパを訪れ、
スクーターに日本の国旗をつけて走り回った話。
指揮者コンクールのエピソードもきちんとあるのですが、
「The 冒険」という感じで、わくわくドキドキします。”
との感想が書かれていました。
ありがとうございます。
さっそく帰りがけに購入しました。
この本が出版されたのは1962年。
1980年に文庫化され、現在書店に並んでいるのは43刷。
ロングセラーでありベストセラーでもある。
中村紘子さん、岩城宏幸さんもそうだけど、
優れた音楽家というのは文章でも人を魅了するのだろう。

1月28日
今日は火星が地球に接近する日。
夜、東の空を見上げれば、
赤い恒星のように輝く火星が見つかるとのこと。
地球が太陽の周りを約365で1周するのに対し、
火星の公転周期は約687日。
また地球がほぼ円に近い軌道をもつのに対して、
火星は楕円軌道をまわっているため、
地球と火星の距離は常に変化していて、
もっとも近いときで約5600万km、
もっとも遠いときには約1億kmと大きな差がでてくるとのこと。
(機種にもよるでしょうが)
望遠鏡を持っている人なら、
今夜は火星の地表を確認できるようですよ。
僕はオペラグラスで観察してみます。
温めた赤ワインにシナモンを入れた、
ホットワインで防寒対策をしよう。

♪番組では、皆さんからの推薦本を募集しています。
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2010/01/27

セヴラック好き宣言

1月26日
ピアニスト舘野泉さんがセヴラックの
作品を収録したCDを聴いていた。
デオド・ド・セヴラック(1872~1921)。
前からずっと気になっていた作曲家です。
ドビュッシーのようであり、ラヴェルに通じるものがある。
アルベニスにも似ている(実際、セヴラックのお師匠さんだった)。
でもその3人より、遥かに素朴なのがセヴラックの良さであり、
「きっといい人だったんだよなぁ~」
と想像してしまう曲ばかりだ。

フランス南部ラングドック地方に生まれたセヴラックは、
若い頃パリに暮らしたこともあるが都会に馴染めず
30代半ばからは、南フランスを活動の中心とし、
美しい自然や農民たちの暮らしからインスパイアされた
音楽をかき続けた。
そんなセヴラックの音楽を、ドビュッシーは
「とても素敵な香りがする」と高く評価し、
セヴラック自身も『田舎の音楽家』と呼ばれることを
喜んでいたという。
彼の音楽は故郷、ラングドックのワインのように、
人々の生活に寄り添う日常的なものだったのかもしれない。
印象派の画家たちにも通じる彼の人生を
もう少し詳しく知りたいけど、
資料が乏しいのが残念。
でも、モデラートではできるだけ多く、
セヴラックの音楽をオン・エアしていきたいと思う。

1月27日
今日はモーツァルトの誕生日ですね。
だから今夜の一杯めは彼の故郷、
ザルツブルグ生まれのカクテル、
「スプリッツァー」で乾杯しましょう。
白ワインをソーダ水で割るだけの簡単なレシピです。
お好みでライムかレモンを絞ってもいいですよ。
なお、このカクテルの名前はドイツ語の
「シュプリッツェン」(はじける)を語源としています。
モーツァルトを聴きながら飲むのに相応しい一杯だと思いませんか。

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2010/01/26

『医学と芸術展』

1月25日
森美術館で開催されている『医学と芸術展』を観た。
古い博物館の片隅に展示されているような作品と、
表参道あたりのギャラリーで展示されているような作品が、
同居している不思議な空間。
これを現代アートの(見せ方の)新たな魅力と感じるのか、
それとも行き詰まりと感じるのかは意見が分かれるところだと思う。
(でも蜷川実花の写真が飾られた義足は意味不明)

個人的に一番好きだったのは、
ドイツの写真家ヴァルター・シェルスの
「ライフ・ビフォア・デス」という作品。
性別も年齢も人種も異なる人間の顔が
2枚1組で並べて展示されています。
ほぼ同じアングルとレンズで撮影されているので、
同時期に撮影したものだと思ったら、
2枚の写真の間には生と死、という
測ることのできない距離があったのです。
作者は死を覚悟した、あるいは宣告された本人や家族の同意を得て、
死の直前と直後の表情を写真に撮った。
死にゆく者、そして亡くなった人にレンズを向けることなど、
例え本人の了承があったとしても、
それは極めて冷酷な行為だと思う。
しかもこの写真の撮影にはそれなりの機材が必要なはずだ。
にもかかわらず、写真からは命の尊厳のようなものが伝わってきた。
芸術とは不思議で非情なものだと感じた。
ヴァルター・シェルスの作品は次の作品で確認できます。
http://www.lensculture.com/schels.html

もうひとつ印象的だったのはオーストラリアの作家
パトリシア・ピッチニーニの
「ゲーム・ボーイズ・アドヴァンス」という作品。
少年が2人、ゲーム・ボーイで遊んでいる人形ですが、
よく見ると顔には皺が浮かび、皮膚も弛んでいる。
つまり老人なのです。
これはクローン細胞から作った生物は、
成長速度が速く、寿命が短いという事実に
インスピレーションを得た作品。
つまり、作品の少年たちは、クローン少年なのだそう。
もちろん、かなりデフォルメされた表現だけど、
今の子供たちを見ていると
それほど現実離れした作品でもないような気がしました。
生命倫理や環境問題などを提唱している
作家ならではの作品です。

1月26日
今日はデンマークを代表する家具デザイナー、
ハンス・ウェグナーの命日。
2007年に92歳で亡くなるまでウェグナーは
500種類以上の家具を制作し20世紀のデザイン、
そして人々の生活に大きな影響を与えた。
「私の作品は芸術作品ではない。日用工芸品なのです」。
常にそう訴え続けた彼の家具には、
寒い国デンマーク生まれならではの温もりと肌触りがあります。
(ひとつも持っていませんが~)

新宿のリビングデザインセンターにある
『ノルディックフォルム』では
現在ウェグナーがデザインしたソファが展示、販売されています。
値段は決して安くはありませんが、
一生付き合う伴侶を選ぶと思えば、高くはないと思います。
♫ウェグナーの名作ソファコレクション
http://www.ozone.co.jp/index.html

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2010/01/25

『今度は愛妻家』夫婦で観ましょう

1月24日
映画『今度は愛妻家』を妻と観に行く。
売れっ子カメラマンだったのに、
まったく仕事をしなくなった亭主は、
物ぐさ、自己中、女好きと典型的なダメ男。
そんな彼にけな気に尽くしてきた妻も、
とうとう愛想尽かして家を出て行ってしまい……。
“夫婦のちょっとした危機を描いた、
笑って泣かせるコメディ映画、
ハッピーエンドで終わるんだろうなぁ~”
と軽い気持ちで観ていると、
思わぬ展開にドキッとさせられるから要注意です。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、
ちょい役で登場する井川遥の表情と
城田優のセリフが実はとても重要な意味を持っていた
ことに、映画の後、妻の指摘で気付かされました。
夫婦で観ることを勧めますが、
映画館を出た後、奥さんから何らかの
攻撃が(執拗に)あることを覚悟しましょう。

1月25日
今日はキリスト教における重要な聖人である、
パウロがキリスト教に改心した日と言い伝えられています。
生前のキリストを見たこともなく、
そればかりか熱心なユダヤ教徒であり、
初めはキリスト教徒を迫害する側についていたパウロは
ある日、復活したキリストに声をかけられ、
驚きのあまり落馬しその後目が見えなくなってしまう。
一人のキリスト教徒がパウロの為に祈りを捧げると
パウロの目から鱗のようなものが落ちて、
目が見えるようになった、と言われ、
これが、「目から鱗が落ちた」という言葉の語源であると言われています。
「パウロの回心」といわれるこの事件は、
絵画の主題として何度も取り上げられていますが、
なかでもカラヴァッジョの傑作が
ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会に所蔵されています。

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2010/01/22

飲んだくれの守護聖人ビンセンチウスとは何者か?

1月21日
中野坂上にある「写大ギャラリー」で開催されている、
土門拳の写真展を観に行った。
ライフワークである『古寺巡礼』から
初公開の新制作プリント約50点が展示された
小さな、そして静謐な写真展。
薬師寺、東大寺、法隆寺など有名なお寺から、
渡岸寺(どうがんじ 滋賀県)の十一面観音菩薩立像、
三仏寺(さんぶつじ 鳥取県)の投入堂(なげいれどう)など、
まだ訪ねたことのない寺の写真にも出会えた。
特に心惹かれたのはフレームから
はみ出すほアップで撮影された仏像の面相。
なぜか、先日紹介した石井一男さんの「女神像」が思い出された。

絶対非演出を前提にしたリアリズム写真を追求し、
当時の保守的な芸術写真を「サロン・ピクチュア」と批評した土門拳は、
50歳を過ぎた1960年に脳出血を発症。
これ以降大型カメラによる『古寺巡礼』の撮影に本格的に取り組むようになる。
体調不良に悩み、死を意識し続けた土門が、
向き合ったのが古刹、仏像であったというのは感慨深い。

土門拳は名文家としても知られていますが、
入手しやすい1冊が『風貌 私の美学』(講談社文芸文庫)。
土門が撮影した50人以上の文化人との
エピソードが綴られていて、
少ないながらポートレートも掲載されている。
梅原龍三郎を激怒させたこと、
山田耕筰が「全米光頭倶楽部」なる
怪しくも、笑えるクラブの名誉会員だったことなど、
興味深い話が満載だが、
なにより昭和の時代に生きた先人たちの
面構え、眼光に引き込まれてしまう。
こんな迫力のある肖像写真を撮る人も、撮られる人も
もう出てこないような気がして、やや寂しい。

♫写大ギャラリー リニューアル・オープン記念展 
よみがえる土門拳「古寺巡礼」新プリント公開
http://www.t-kougei.ac.jp/arts/sc/topics632.php

1月22日
今日は、飲んだくれの守護聖人、
聖ビンセンチウスの祝祭日、だという。
しかしインターネットで調べてみても
「聖ビンセンチウスは飲んだくれの守護聖人。
イギリスでは、この日が晴れると一年中良い天候に恵まれるとされています」
という説明しかヒットしない。
僕が持っている『聖人事典』(三交社)を見てみると、
〈サラサゴの〉ヴィンチェエンティウスという聖人がいて、
確かに今日が祝祭日となっているが、
“飲んだくれ”や“酒”に関してはまったく記述されていない。
懲りずにヴィンチェエンティウスで検索してみると、
同名のチェンバロ制作者が実在したいたことが分かった。
つまり、制作者が判明している初めてのチェンバロは
“1515年から翌年にかけてフィレンツェのヴィンチェンティウスが
製作したチェンバロで、メディチ家出身のローマ教皇レオ10世のために製作された”
ということ。
でも結局、ビンセンチウス (ヴィンチェンティウス)と酒の関係は分からず、
飲んだくれ、というキーワードに翻弄されて2時間が過ぎた。

♫オペラやバレエの名作を映画館のスクリーンで楽しめる特集上映
world classics@chinema が公開中です
http://www.livespire.jp/opera/

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2010/01/21

第三のジン?「ヘンドリックス」

1月20日
銀座で所用を済ませた後、マティーニが飲みたくなり、
久しぶりに『スタア・バー』へ行った。
この店のマティーニは“冷え”と“香り”を
うまく両立させるために冷凍庫で冷やしたジンと
常温のジンを使っているのだが、
この夜は目新しいジンがレシピに加わっていた。
「ヘンドリックス」。
キュウリとバラの花びらで香り付けがされている
新しいタイプのジンであり、
店主、岸さんの話では海外から来店するお客さんには
この「ヘンドリックス」を指定して
マティーニやジントニックなどを注文する人も多いそう。
ストレートで味見させてもらったが、
確かに一般的なジンより濃厚で複雑な香りがし、
やや甘みも感じられた。
帰宅後、インターネットで調べてみると以下のようなことが
判明しました。

●生産はシングルモルトのグレンフィディックやバルヴェニーを所有する
  ウィリアム・グランツ&サン社がスコットランドで行っている。
●『ウォールストリート・ジャナール』にて2003年「世界のベストジン」に選ばれている。
●裏のラベルには「IT IS NOT FOR EVERYONE」と表記されている。
●このジンでジントニックやマティーニをつくる際は
 ライムやオリーブではなくキュウリを添えるよう、メーカーは勧めている。
グラスの底にキュウリがあったっていいじゃないか?

1月21日
今日は愛と貞操の聖人、ローマのアグネスの祝祭日。
異教徒との結婚を拒み、僅か12歳か13歳で処刑された
彼女は特に女性からの信仰が厚く、
今でも多くの女性の名前として選ばれています。
(フランス語ではアニェス)
またこの日、女性は鏡に向かって未来の恋人を占い、
結婚相手が夢にでてくるよう祈りを捧げる風習があったそうです。

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2010/01/20

「黒のエチュード」人生最後のショパン

1月19日
『刑事コロンボ』シリーズの「黒のエチュード」を観る。
犯人は交響楽団の指揮者。
完璧なアリバイ工作をして浮気相手のピアニストを殺すものの、
殺人現場に決定的な証拠を残してしまい、
それをコロンボが見逃さなかった、という展開です。
当然、クラシック音楽が多用されていますが、
印象的だったのは被害者がショパンを弾いている最中に
殺害されるシーンでした。
曲はショパンのエチュード「エオリアンハープ」。
エオリアンハープというのは自然に吹く風によって音を奏でる
(という伝説がある)楽器。
この曲を聴いたシューマンが
「エオリアンハープを聴いているようだ。
これはエチュードというよりポエムである」と
讃えたことに由来するそうです。

またこのドラマでは犯人が次のような意味のセリフを語っています。
「ブラームスはくわえていた葉巻で指揮したことがある」
「自分の頭が落ちてしまうという幻覚に襲われたチャイコフスキーは
左手で頭を押さえながら指揮していた」
もちろん、史実かどうか定かではありませんが、
クラシックファンの方には楽しめるドラマですよ。
ただし、犯人の指揮する姿はめちゃくちゃです。

なお、犯人の妻役の女優さんが誰かに似ているなぁ~、
と思っていたらグウィネス・パルトロウのお母さんでした。

1月20日
『通訳ダニエル・シュタイン』の上巻を読み終える。
面白い小説なんだが、人間関係が複雑で、
いまひとつ把握できないのがもどかしい。
今夜、相関図でも作ってみることにします。

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2010/01/19

コロンボが仕掛けた甘い罠「別れのワイン」

1月18日
バー『ヒース』の大川さんに勧めてもらった
『刑事コロンボ』シリーズ「別れのワイン」を観た。
ファンだった人も多いと思いますが、
70年代に大流行したアメリカの連続テレビドラマです。
ロサンゼルス警察殺人課のコロンボ警部は、
よれよれのコートを羽織り、
安葉巻が手放せないサエない風体の男だが、
粘り強い推理で犯人を追い詰め、最後は自白に追い込む。
というのが基本のストーリー。
毎回、指揮者、美術評論家、写真家、女優、弁護士、精神科医など
一流のスペシャリストが犯人として登場し、
その職業が重要な意味をもつという設定です。

「別れのワイン」は、人生をワインに捧げた男が犯人であり、
シリーズ最高傑作ともいわれる作品。
ワイン醸造家が犯人だと確信したコロンボは
ワインについての勉強を始め、
ワインの話を通して犯人を追いつめていく。
だが、決定的な証拠は何もつかめない。
そこでコロンボはあるトラップ(罠)を用意するのだが、
そのとき使われたのがポートワイン、
Ferreira Vintage Port 1945年(フェレイラ)。
(作品中ではFerrer・フェリエと表記されていた)
ヴィンテージポートは、
素晴らしい収穫の年にしか作られないタイプのポートですが、
1945年は20世紀通じて最も偉大なヴィンテージの
一つといわれている、
ワイン愛好家にとって垂涎の的である1本。
しかし、ワインを愛するがゆえにそのワインを一口飲んだ犯人は
墓穴を掘ってしまい……。

このドラマの原題は“Any Old Port In A Storm”。
英語の慣用句 any port in a storm をもじっています。
「嵐の中の港」、つまり窮余の策という意味であり、
ポートワインとポート(港)をひっかけています。
コロンボが犯人を追い詰める窮余の策がポートワインだったのです。

40年も前の作品なのでワインに関する表現など、
かなりアバウトな部分もありますが、
なによりも刑事と犯人という枠を超えた男同士の駆け引きが楽しめます。
なお、この作品の監督はレオ・ペン、ショーン・ペンの父親です。
次は天才指揮者が登場する『黒のエチュード』を観る予定。
しばらくコロンボにはまりそうな予感。

1月19日
今日はポール・セザンヌの誕生日(1839年)。
セザンヌの絵を見ていると音楽が聞えてくる、
セザンヌの絵には五線譜が描かれていると
多くの人が言います。
そこで、今日はセザンヌが聴いた音楽をたくさんオンエアしたいと思います。
もちろん、僕の勝手な想像ですが、
セザンヌと同時代を生き、田園風景を音にした作曲家を選んでみます。
ビゼー(1838~1875)、フォーレ(1845~1924)、
セヴラック(1872~1921)、サン=サーンス(1835~1921)
フランク(1822~1890)etc

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2010/01/18

久しぶりのバー『ヒース』で出会った一杯

1月16日
午後、石井一男さんの個展が開催されている
『松明堂ギャラリー』へ行く。
「女神像」「ひたり立つ」のシリーズを中心に絵と向き合い、
30分ほどギャラリーのなかを歩きまわっていた。
ほとんどの絵には売却済みであることを示す、
赤いシールが貼られていた。
80,000円から120,000円ほどの価格帯なら
(カード支払い、分割可)、
少し無理をすれば支払える範囲だし、
石井さんの絵に何かの救いを求め、
すがるような思いで購入した人も多いと思う。
僕は画集だけを購入。
会場内に流れているバロック風の音楽が気になったので
問い合わせてみたら、花岡和生さんというリコーダー奏者の
ヘンデルのCDだった。要チェック!

P1160342

ギャラリーへ出て国立へ向かい、
バー『ヒース』を訪れる。
この店で飲むのは本当に久しぶり。
20年ほど前、国立で暮らして僕は
『ヒース』と主、大川さんに出会い、
モルトウイスキーの素晴らしさを教えてもらった。
ハイボールで喉を湿らせた後、「スキャパ」を一杯。
最近の「スキャパ」は好きじゃないけど、
「ヒース」には古き良き時代のボトルが残っている。
続いて僕がモルトに目覚めた「グレンファークラス」を呑み、
最後の一杯を大川さんにお任せしたら、
「好みだと思う」と出してくれたのが、
「オールドプルトニー8年」。
イギリス本当の北端に近いウイックという町で
蒸留されているハイランド・モルトだ。
8年ものとは思えないほど、濃密な液体が下に絡んできた。
香りも凝縮されている。
最近出回っている水割りのような8年熟成とはまったく違った。
かなり昔に瓶詰めされた8年ものだそう(確か50年以上前だったと思う)。
やっぱりオールドボトルはいいなぁ~、と感心しつつ
こんなレアなモルトをさりげなく出してくれる『ヒース』と大川さんの
計り知れない奥深さに敬服しつつ、最後まで舐めるように飲みほした。

♫石井一男さんの東京での個展が現在開催中です。
場所は、西武国分寺線・鷹の台駅にある「松明堂ギャラリー」、
http://www.shomeido.jp/gallery/

♫石井一男さんの絵が閲覧できるサイト
http://ishii.mai433.com/index.html

♫ちょっと気になった「松明堂音楽ホール」
http://www12.plala.or.jp/

1月17日
寒中見舞いのはがきを作成する。
僕は年賀状を書く習慣がないだけに、
毎年、この時期には非常に心苦しい想いをするのです。
夕飯は最近はまっている「アン肝味噌」の鍋。
この時期、スーパーで見かけるアン肝と味噌、
そして味醂や日本酒を少々加えてミキサーにかけるだけ。
これをダシ汁に溶かして鍋にすると本当に美味しいです。
具材はアンコウや魚介類があうと思います。
冷酒がすすみますよ。
ぜひお試しください。

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2010/01/15

『奇蹟の画家』石井一男さん

1月14日
ノンフィクション作家、後藤正治さんの新刊
『奇蹟の画家』(講談社)を読み終える。
石井一男という「奇蹟」の画家、
そして彼の絵と「奇蹟」のような出会いをした
人々との絆を描いた作品です。
1943年、兵庫・新開地に生まれた石井一男さんは
50歳を目前にして、まったく無名の存在だった。
美大を卒業したわけでも、誰かに師事したこともない。
結婚もせず、皿洗いなどのアルバイトをしながら、
世間との接触を極力避けて暮らしてきた。
絵を描くことは好きだったが、
あくまで趣味の範囲であり、長く筆をもたない時期もあった。
しかし、46歳のとき死を間近に感じる体験をし、
生きる証として絵と向き合う覚悟を決め、
「女神像」を描き続けるようになった。
それから3年を経て、一人の画商、島田誠さんとの出会いがあり、
石井さんは初めて個展を開くことになる。
無名作家の初個展にも関わらず大盛況で、
絵はほとんど完売した。
それ以降も多くの人々が石井さんの絵に魅せられ、
その絵を心の糧、支えとするようになった。
病床で石井さんの絵を眺めながら亡くなる人もいる。
描く画家が純粋であるように、
絵を購入する人もまた純粋。
昨今のアートバブルとはほど遠い世界がそこにある。

著者の後藤さんは石井さんや関係者を始め、
絵の購入者にも丁寧に取材を重ね、
しかも抑制された文章で、「奇蹟」の広がりを再現している。
感動的な事実がたくさんありすぎて、
お涙頂戴話になりかねない題材で
あるだけに苦労されたことと思う。
石井さんと後藤さんが出会い、
この素晴らしいノンフィクションが生まれた。
それも、もうひとつの「奇蹟」だ。

♫石井一男さんの東京での個展が現在開催中です。
場所は、西武国分寺線・鷹の台駅にある「松明堂ギャラリー」、
http://www.shomeido.jp/gallery/

♫石井一男さんの絵が閲覧できるサイト
http://ishii.mai433.com/index.html

17日(日)に放映されるテレビ番組「情熱大陸」に
石井一男さんが登場します。

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2010/01/14

『小村雪岱とその時代』

1月13日
モード雑誌の嚆矢、『ハイファッション』の休刊が発表された。
“30日間着まわし術”には勝てなかったということか。
ライターはもちろん、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクなど
この雑誌に鍛えられ、育てられた業界人は多い。
クルマ雑誌『NAVI』も休刊されるし、
美しく、本棚に並べて置きたくなる雑誌はどんどん消えていく。
今年もまだまだ雑誌の休刊は続くだろう。
弱小プロダクション、末端のフリーランスたちにとっては
本当に辛い時代だと思う(人事ではないです)。
そんななか、これから雑誌を中心とした新しいビジネスを
立ち上げようとしている、元気で、聡明で、美しい女性と
話をすることができた。
何かを始めようという人の話しを聴いていると
こちらまでパワーを注入された気がするから不思議だ。
前途多難だと思うけど、
頑張って欲しいと素直に応援したくなったし、
微力ながら役に立てることがあればいいと思った。

1月14日
埼玉県立近代美術館で開催されている
『小村雪岱とその時代』を観に行く。
小村雪岱は明治20年生まれ、
竹久夢二と同時代の画人。
繊細な画風で知られ「昭和の春信」とも
讃えられた人だ。
展示は彼が装幀を担当した本が多かったが、
その絵の美しさと共に当時の
丁寧な本作りにも驚かされる。
洋画や現代アートに食傷気味な方に
ぜひお勧めしたい、静謐な美術展です。

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2010/01/13

「やさいのカード」

1月12日
リスナーの方から以前、推薦して頂いたフランスのソプラノ歌手、
パトリシア・プティボンのCD『フレンチ・タッチ』を聴いてみた。
このCDのジャケトがとてもユニークで美しい。
耳の上で三つ編みにしたマカロンという髪型のプティボンが
遊園地のメリーゴーランドのような白馬に跨って微笑んでいる。
およそクラシックのCDとは思えないセンス。
でも、収録された音楽と彼女の歌声はクラシックの王道だ。
コミカルな曲から流麗な調べまで、
乙女の喜びから貴婦人の憂いまで、
見事に歌い分けている、ような気がした。
(音楽を語るボキャブラリーが貧困で申し訳ないです)。
その歌声と同様、インターネットの映像で観る彼女の容姿も
同一人物とは思えないほど変化に富んでいる。
年齢は公表していないが、
マカロン姿のときは20代前半にも思えるし、
ジュリア・ロバーツにそっくりなほど色っぽいときもある。
2008年、2009年と来日し日本のファンも多いと聞いた。
もし今年も来日するなら絶対にオペラグラス持参で会場へ行こうと思う。

♫パトリシア・プティボンのインタビューが掲載されたサイト
http://japanarts.cocolog-nifty.com/artistvoice/2008/02/post_58bc.html

♫パトリシア・プティボンの歌声が楽しめるサイト
http://www.youtube.com/watch?v=Dt-1eWQEg0o

1月13日
国立新美術館で開催されている展覧会
『未来を担う美術家たち Domani 明日』を観に行く。
タイトルの割りに中堅・ベテランの作家が多くてややがっかり。
好きな作品と興味持てない作品がはっきりしていましたが、
詳しくは明日お話します。
帰り際、ショップで前から気になっていた
「やさいのカード」(税込み1,575円)を見つけたので購入。
16種類の野菜が4枚ずつ、計64枚のカードで
遊び方はトランプの神経衰弱とまったく同じ。
ひとつだけ異なるのは表面に野菜が予測できるヒントが書かれていること。
デザイナーが提案した新しい食育プログラムです。
小さなお子さんへのプレゼントにいいかも知れません。
♫「やさいのカード」
www.yasainocard.com

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特に、「旅に出たくなる本」「旅先に持っていきたくなる本」
そして「ベットサイド 枕元にいつも置いておきたい本」があったら
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2010/01/12

『悲しみを聴く石』

1月11日
昨年購入したままだった小説『悲しみを聴く石』
(アティーク・ラヒーミー=著 関口涼子=訳 白水社)を読んだ。
演劇になりそうなストーリーだ。
もし芝居にするとしたら一組の男女だけが登場する密室劇、
いや女だけの一人芝居かもしれない。
それほど濃密な小説だった。
舞台はアフガニスタン。
戦場から植物状態となって戻った男。
そしてコーランの祈りを唱えながら看病を続ける妻。
銃声が轟くなか、妻は献身的に夫の看病を続けるが、
快復の兆しを見せない夫に向かって、
やがて妻は秘密を語り始める。
その内容に(まず)驚かされ、
女の告白に耳を傾けているうちに物語りは
現実なのか幻想なのかも不明なまま終わった。

原題は「サンゲ・サブール」。
ペルシア語で「忍耐の石」という意味だという。
その石に向かって、人には言えない苦しみや悲しみを打ち明けると、
石はそれをじっと聞き続け、ある日、粉々に打ち砕ける。
その瞬間、人は苦しみから解放されるという、
ペルシアの神話からとられている。
「忍耐の石」であったのは妻の告白を聴き続けている夫なのか、
それとも理不尽な日々に耐え続ける妻なのか。
そして動かない(動けない)石とは対照的に
孔雀の羽が描かれ、重要な意味を持ってくる。
生と性を直結させる手法にはやや違和感を覚えるが、
それは僕の生が生ぬるいが故だろうか?

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2010/01/11

「カワハギのブイヤベース」

1月9日
ちょっとした祝いの日だったので
熱海のフレンチレストラン『ヴィラ・デル・ソル』へ
夕飯を食べ行く。たまの贅沢です。
『ヴィラ・デル・ソル』は古い洋館を移築した、
オーヴェルジュスタイルのホテルで
海の幸を十分に楽しませてくれる。
昨年の同じ時期にも出かけたのだが、
そのとき食べた「カワハギのブイヤベース」がどうしても
もう一度味わいたくなり、予約時にその旨を伝えておいた。
何種類もの魚介類を濾したスープに
カワハギが丸ごと入っていて、後は茹でたジャガイモが添えられて
いるだけのシンプルな、でも手間暇を惜しまない一皿。
これが本当に美味しい!☆三つ以上!
パプリカとニンニクのディップと細くスライスしたチーズ
(種類は忘れた)がサーブされるので、
それを入れるとまた別の味が楽しめる。
また来年も食べたくなった。

1月10日
ホームセンターへ行き、
園芸用の土や堆肥、石灰石、ヒートモス、藁などを購入。
ひたすら冬越の準備をする。
土を掘り返すと、幼虫がたくさん眠っていた。
気持ち悪いような、愛おしいような複雑な気分になる。
午後はパソコンに向かう。
偉大な音楽家たちは20歳の頃、何を考え、
どんなことをしていたのだろうか?
気になって少し調べてみた。

今年が生誕200年のショパンは1830年、
20歳のときにピアノ協奏曲第1番・第2番を演奏した後、
祖国ポーランドを離れ、デラシネとなる。
同じく生誕200年のシューマンは1830年、
法律家を目指せと諭した母に決別の手紙を書き、
ピアノ教師、フリードリヒ・ヴィークの家に住み込んでピアノに専念する。
そして師匠の娘、クララと接近した。
この2人より1年早く生まれたメンデルスゾーンは
1829年、バッハの「マタイ受難曲」を復活上演させた後、
約3年に及ぶ3年に渡る教養完成の旅、グランドツアーに出た。
時代を遡るとバッハがブクステフーデのオルガン演奏を
聴くために徒歩で1カ月を要する旅に出たのは1705年、20歳のとき。
やっぱり、凄い人は20歳の頃から凄かったのだ。
と当たり前のことに気付かされた。

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2010/01/08

ヴェルレーヌが溺れたアブサン

詩人ヴェルレーヌが死んだのは1896年の1月8日。
52歳で亡くなった天才詩人の最後は哀れなものだった。
看取ってくれたのは若くもない娼婦と売れない画家の二人。
夜中に高熱にうなされてベッドから転げ落ち、
そのまま意識はもどらず他界したという。
彼の寿命を縮めたのは、間違いなくアブサンという魔性の酒だ。
その毒性故に長らく禁止されていたこのリキュールに
溺れ、沈んでいった芸術家は多い。
ロートレックは階段から転げ落ち、
ゴッホは耳を切り落としたと伝えられている。
ヴェルレーヌは「毒酒に求める忘却よ!」と詩に残し
この酒に酔った勢いで恋人ボードレーヌに弾丸を放ち、
実の母にさえ刀を振りかざした。

堀口大學の名訳による『ヴェルレーヌ詩集』(新潮文庫)の
表紙にはアブサン専用のグラスとスプーンが描かれている。
グラスにアブサンを注ぎ、横たえたスプーンに角砂糖を乗せ、
冷水を少しずつたらし、白濁したアブサンを飲むという。
ヴェルレーヌがこんな面倒な飲み方をしたか否かは分からない。
そのまま水割りで飲んだような気もする。
彼の死後、アブサンも製造が禁止され、
変わってパスティス(模倣)という名のリキュールがもてはやされた。
今、出回っているのは毒抜きされたアブサンだ。
もう誰もヴェルレーヌのアブサンを飲むことはできない。

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2010/01/07

宇宙で読む勝海舟

1月6日
朝日新聞のウェッブ(asahi.com)を見ていたら
宇宙飛行士の若田光一さんが読書特集のコーナーで
インタビューに応えていた。
記事によれば約4ヶ月半の宇宙滞在に際し、
若田さんが持参した本は次の4冊。
『宇宙からの帰還』(立花隆)
『氷川清話』(勝海舟)
『かもめのジョナサン』(リチャード・バック)
『新 折々のうたⅠ』(大岡信)

意外だったのは『氷川清話』をチョイスしたこと。
僕も未読なのですが、この本は晩年の勝海舟が
“赤坂氷川の自邸で、歯に衣着せず語った
辛辣な人物評、痛烈な時局批判”なんだそう。
宇宙の神秘と江戸城無血開城。
どこかに共通項があるのだろうか?

「南の島に持って行きたい本、CD」という企画は
雑誌でよく見かけたけど、
「月で読みたい本、銀河で聴きたいCD」
なんていう企画が登場するのも
そう遠い未来ではないのかもしれない。

1月7日
ウィリアム・ケントリッジについて
東京国立近代美術館のホームページ、
同美術館の雑誌『現代の眼』などで調べてみる。
ケントリッジは木炭とパステルで描いたドローイングを
部分的に描き直しながら、1コマ毎に撮影するという
気の遠くなるような作業から映像作品を作り出している。
CGが主流である現代にあって、
その対極にある彼のアナログな技法が
何故、広く支持されるのか?
その理由の一端でも今日トークできればいいが……。

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2010/01/06

ウィリアム・ケントリッジ

1月5日
帰りの車内で読む本がなかったので、
気軽に読める新書でも読もうと思い、
『グルメの嘘』(友里征耶=著 新潮新書)を購入。
冒頭から違和感(というか不快感)を覚えつつ、
結局帰宅後も読み続け、2時間ほどで読み終える。
何とも後味の悪い読書だった。
そんなこともある。

1月6日
パソコンに向かうのも、本を読むのも何故か億劫で
美術館へ逃げることに決め、
東京都国立近代美術館へ出かける。
開催されているのは
「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える」。
ケントリッジは1955年生まれの現代アーティスト。
何故彼の企画展を近代美術館で開催するのか、
不思議ではあるけど、
ドローイングとビデオ作品を中心に構成された展示は
見応え十分。
というより鑑賞時間を1時間しかとって
いなかったので全部を観るのはとても無理だった。
明日、詳しく紹介したいと思います。

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2010/01/05

絵本『ヴァイオリニスト』とシューマン

1月4日
古いアメリカ映画『別離』を観る。
1939年に制作されたこの映画は
イングリット・バーグマンのハリウッド初主演作品。
時にバーグマン24歳、すでに一人娘の母親だった。
原題は『Intermezzo間奏曲』となっていて、
有名ヴァイオリニストと若き女流ピアニスト(バーグマン)の
許されざる恋と家族愛を描いた作品。
ブラームスの「間奏曲」が使われています。
作品そのものの中身はさほど感激しませんが、
ピアノを弾くバーグマンがとにかく美しい。
彼女は何度かピアニストを演じていいて、
最後の作品『秋のソナタ』(1978年 巨匠ベルイマン監督)も
ピアニストの役でした。
ピアノが似合う女優だったのですね。
また、『別離』を観たヘミングウェイは、後年自らの小説
『誰がために鐘は鳴る』を映画化する際、
バーグマンをヒロインに指名したと伝えられています。

1月5日
絵本作家ガブリエル・バンサンの
『ヴァイオリニスト』(BL出版)を読む。
読むといっても言葉はほとんどなく、
鉛筆画のデッサンが100枚以上続いている作品。
描かれているのは部屋でヴァイオリンを弾く青年と
その音楽を窓の外で聴き続けている少年の二人。
青年は悩み、苛立っている。
自分にヴァイオリンを与え、一流の演奏家になれと叱咤する父親。
しかし青年が求めているのはコンクールや演奏会での成功とは無縁の
もっと純粋に音楽を奏でることの喜びだった。
父親も世間も青年の思いを理解してくれないなか、
少年だけはヴァイオリンの音を純粋に楽しんでいる。
やがてたくさんの人が窓に集まって音楽を聴くようになり、
青年は父親に決別の手紙を書き……。

「大事なものは、すぐそこの窓のむこうにあるもの」

短いセンテンスに思わず頷いてしまった。
これからも1年の初めに長く読み続けていこうと思う。
解説にあるようにいつかは絵本から
ヴァイオリンの音色が聞えてくるかもしれない(当分無理そう)。
この素晴らしい絵本は柳田邦男さんのエッセイで知ったのですが、
そのエッセイのなかで柳田さんはヴァイオリニストの苦悩を
ロベルト・シューマンの悲劇と重ね合わせています。
今日はそんな話もするつもりです。
P1050333

バンサンは日本の水墨画に影響を受けたそう。

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2010/01/04

意外とお勧めできます、映画『愛情物語』

1月2日
静岡県富士宮にある妻の実家に里帰り。
新幹線の新富士駅まで岳父がクルマで迎えにきてくれた。
まずは、浅間大社に初詣、また厄年の妻が御祓いを受ける。
お昼は当然ながら富士宮焼きそば。
浅間大社の近くには富士宮焼きそばの屋台村もあるが、
大社の敷地内にある『ここずらよ』という店の方が
美味しいとのことで、30分待ってようやく食べることができた。
お墓参りの後、『富士花鳥園』へ。
8000㎡の大温室のなかに色とりどりのペゴニアが咲き、
ほんとうに美しい。夏はさらに美しく飾られるとのこと。
大人も子供も楽しめます。
http://www.kamoltd.co.jp/fuji/

夜は親類が集まり10人以上での大宴会。
正しい日本のお正月。
翌朝、岳父が作ってくれたお雑煮には餅が4つと、
大きな里芋が入っていた。
もちろん残さず食べた。

P1020289 浅間大社の鳥居と富士山

P1020300 『富士花鳥園』本物のフクロウです

1月3日
夕方前に家に戻り、レンタルしておいた古いアメリカ映画
『愛情物語』を観る。
ショパンの音楽が流れるという理由だけで、
まったく期待していなかったが、
これがいい映画だった。ラストは涙腺が緩んでしまったほど。

金曜日にリスナーの方からメールで
「I Love Chopin」という、3枚のコンピレーションアルバムを紹介して頂いた。
(キングレコードより1月6日発売予定、定価各税込み1,500円)。
ご丁寧に収録されている曲目を書いてくださったので一部省略して
転載させていただきます。
みなさんは何曲くらい思い出せますか?
【I Love Chopin~映画編】
1. ノクターン第20番 (「戦場のピアニスト」
2. ワルツ第9番Op.69-1「告別」(「アザーズ」)
3. 雨だれの前奏曲Op.28-15(「シャイン」)
4. バラード第1番Op.23(同)
5. ポロネーズ第6番「英雄」Op.53(「灰とダイヤモンド」)
6. 前奏曲第4番Op.28-4(「ファイブ・イージー・ピーセズ」)
7. 前奏曲第20番Op.69-2(「マダム・スザーツカ」)
8. ワルツ第10番Op.28-10(「愛人/ラマン」)
9. ワルツ第7番Op.64-2(1991年「羊たちの沈黙」)
10. 前奏曲第2番Op.28-2(1978年「秋のソナタ」)
11. 葬送行進曲 (ピアノソナタ第2番Op.35より第3楽章)
(「ファニーとアレクサンデル」)

【I Love Chopin~CM・ドラマ編】
1. 前奏曲第7番Op.28-7(太田胃酸CM)
2. 練習曲第4番Op.10-5「黒鍵」(のだめカンタービレ)
3. 小犬のワルツ(任天堂「DS-Lite」)
4. マズルカ第5番Op.7-1(au/京セラ「A5305K」CM)
5. ノクターン第1番Op.9-1(「DoCoMo 2.0 うたホーダイ 告白篇」CM)
6. 練習曲第3番Op.10-3「別れの曲」(ドラマ「101回目のプロポーズ」
 /パナソニック「ビエラ」CM)
7. ピアノ協奏曲第1番Op.11より第2楽章(韓流ドラマ「天国の階段」)
8. 前奏曲第15番Op.28-15「雨だれ」
9. ポロネーズ第15番Op.35「別れ」(明治製菓「ショパン」CM)
10. ポロネーズ第6番Op.53「英雄」(ハウス食品「ハウス・ザ・カリー」CM)
11. 子守歌 Op.57(富士急ハイランド「トンデミーナ」CM)

【I Love Chopin~フィギュア・スケート編】
1. ノクターン第2番Op.9-2(浅田真央2006~2007SP)
2. 幻想即興曲Op.66(浅田真央2007~2008FS、
 中野友加里2007~2008SP、柴田嶺2007~2008FS)
3. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
 Op.22よりアンダンテ・スピアナート(安藤美姫2003~2004SP)
4. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
 Op.22より華麗なる大ポロネーズ(安藤美姫2003~2004SP)
5. ワルツ第7番Op.64-2(ヴィクトール・ペトレンコ(ウクライナ:1991~1992FS)
6. 練習曲第3番Op.10-3「別れの曲」(浅田真央2007~2008EX)
7. 練習曲第12番Op.10-12「革命」(アレクセイ・ヤグディン(ロシア:2000~2001SP)
8. ノクターン第20番 (シンシア・ファヌフ(カナダ:2008~09 SP)
9. ピアノ協奏曲第2番Op.21第2楽章(村主章枝2002~2003SP、小塚崇彦~2007FS)
10. 練習曲第13番Op.25-1「エオリアン・ハープ」
11. バレエ音楽「レ・シルフィード」より(グラズノフ編)~ポロネーズ
12. バレエ音楽「レ・シルフィード」より(グラズノフ編)~タランテラ

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2010/01/01

ショパンな1年。皆で盛り上がりましょう!

新年あけましておめでとうございます。
今年も素敵な音楽、本、映画、
そして酒と酒場の情報を
たくさんお届けできるよう、頑張ります。
昨年から始めたガーデニングについても
少しお話ができるように
日々の手入れを怠らぬよう心がけます(たぶん)。

今年はショパン生誕200年。
モデラートでも盛り上げていくつもりですが、
何せ初心者なので心もとないです。
ショパンが流れている映画を調べてみると
以下の作品がありました。

『愛情物語』(夜想曲 第2番)
『戦場のピアニスト』(夜想曲 第20番)
『氷点』(幻想即興曲)
『さびしんぼう』(別れの曲)

ショパンを描いた映画
『即興曲/愛欲の旋律』
『楽聖ショパン』
『別れの曲』

まだまだたくさんあると思います。
ご存知の方がいましたら教えてください。
僕も何本かは観ているはずなのですが
覚えているのは『戦場のピアニスト』だけ。
これからなるべくたくさん観てご紹介しますね。
ということで2010年はショパンと向き合う1年になりそう。
とりあえず、くらもちふさこさんの名作
『いつもポケットにショパン』の再読からですね。

みなさんからもショパンに関する情報をお待ちしています。

今日はショパンはもちろん、
20世紀の名ピアニストたちのヒストリカルな演奏を
たくさんオンエアする予定です。

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清水清

 テニス専門誌や幻の名雑誌といわれた『バッカス』の編集を経て、『エスクァイア』日本版編集部に。4年間を副編集長、5年間を編集長として在籍し、イタリアのスローフードやバリ、日本のBAR、沖縄、アートなど自分の趣味をそのまま誌面に反映させた特集に従事する。 『エスクァイア』退職後、4ヶ月間の石垣島生活を経て、現在に至る。座右の銘は「漂えど沈まず」。

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