食欲の無い日にはターフェルムジークを。
暑くて食欲減退、そんな方も多いのではないでしょうか。古の王侯貴族はそんなとき、傍らで優雅な音楽を奏でさせて饗宴、食事会を盛り上げていました。そんな食事会のために16世紀から17世紀にかけて作られた曲をターフェルムジークといいます。
ターフェルムジークはドイツ語で食卓の音楽、テーブル・ミュージックのこと。私的な祝宴、あるいは戸外のイベントのバックで演奏されることを目的とする音楽形式のことを意味します。このターフェルムジークで有名なのが後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家、ゲオルグ・フィリップ・テレマンでした。
テレマンは1681年生まれなので、バッハやヘンデルの4歳年上なのですが、生前はバッハやヘンデルより、テレマンの方が人気と名声が高かったそうです。1722年、ライプツィヒのセントトーマス教会の楽長が亡くなった時、ライプツィヒ市はまずテレマンを招聘しようとしたが断られたため、仕方なく知名度の低かったバッハを招聘したというエピソードも残っています。ターフェルムジークはいわば食卓のBGMですから、他の目的のための音楽に較べて、いくらか軽いのが特徴だったそう。
テレマンは膨大な作品を残していますが18世紀になると、ターフェルムジークの役割はイタリア語で楽しい、気晴らしなどを意味するディヴェルティメントに取って代わら、彼の存在も影が薄いものとなってしまいました。
清水清