« 2007年8月 | メイン | 2007年10月 »

2007年9月

2007/09/28

神的なるものとのコラボレーション

9/25にすみだトリフォニーホールで聴いてきたミカ・ヴァユリネンの

アコーディオンによるゴルトベルク変奏曲は圧巻でした。

想像していた、世俗的でファンキーなバッハとは対極にある、神聖で透明な演奏は

アコーディオンという楽器のはかり知れない可能性を証明していました。

キーを見ずに、あれだけの音を正確に出すというのは、いったいどういう神業なんでしょう?

神業とはつまり、人間の強い意思と、神様からの恩恵によるコラボレーションのことなのではないか?

ヴァユリネンの表情から、そんなことを考えてしまいました。

前代未聞のすごい演奏だったとお知らせしておきます。

そのほかに、今日は来日したベルリン国立歌劇場のゲネプロの様子

音楽総監督のバレンボイムのお話などもする予定です。

小田島

2007/09/27

クレメラータ・バルティカのマーラー10番

Ucce2061kremer 今日ご紹介するCDは、「アダージョ」(ギドン・クレーメル、クレメラータ・バルティカ/ユニバーサル UCCE-2061)です。

マーラーの交響曲第10番からアダージョと、ショスタコーヴィチの交響曲第14番「死者の歌」というカップリングが素晴らしいですね。今日は特に、弦楽合奏版に編曲されたマーラーに焦点をあててご紹介します。クレメラータ・バルティカは1997年に現代を代表する鬼才ヴァイオリニスト、クレーメルによって設立された演奏集団。今回のCDでは、マーラーのスコアを透視するかのような、異様な集中力と冷静さを併せ持った演奏に強い感銘を受けました。

4636204220 「ハンドブック日本の愛唱歌 1000字でわかる名曲ものがたり」(長田暁二著/ヤマハミュージックメディア)

滝廉太郎から中島みゆきまで、日本人にとって心の音楽と言える、明治・大正・昭和・平成を通じた数々の愛唱歌を選び抜き、興味深いエピソードとともに紹介した本です。文章の端々にアーティストへの敬意がうかがえるので、すがすがしい気分で読めます。こういった音楽の価値、そしてそこで歌われている日本語の素晴らしさを見直すにも格好の書です。歌詞も楽譜もついているので、懐かしいメロディを思い出しながら歌うこともできます。

                                                   林田

2007/09/26

バレンボイム

いまベルリン国立歌劇場の来日記者会見から戻ってきました。音楽監督のバレンボイムは今回の公演で「モーゼとアロン」に思い入れが強いようですね。この旧約聖書に題材をとったシェーンベルクの思想劇オペラ、言葉というものがいかに大切か、そして言葉が持たないと、いかにひどいことになるか、というテーマもはらんでいるとの発言がありましたが、全体としては演出について説明を避けていました。自分が説明してしまうと、そのとおりに見られてしまうからだ、という良心的な説明忌避でした。その分、確かに今回の上演にかける彼の思いは強く感じられました。

4884664353 「国家と神とマルクス」(佐藤優著/太陽企画出版)

最近読んだ本の中で、一番興奮した本です。「絶対的なものはある、ただしそれは複数ある」という考え、お互いを尊重するという寛容の精神が必要だという考えには共感します。左翼、右翼の垣根をこれだけ高次元において超えている人は珍しいでしょう。ちなみに、佐藤さんはオペラを観に行ったりするのでしょうか。こういう方にぜひ「モーゼとアロン」を観ていただきたいと思います。

                                                   林田

2007/09/25

いよいよショスタコ&グールド

今日は9月25日、ロシアの大作曲家ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906年9月25日生まれ)とカナダの鬼才ピアニスト、グレン・グールド(1932年9月25日生まれ)の誕生日ですね。あわせて覚えておくと覚えやすいですね。これからは毎年9月25日はお祝いしたいです。だって、この二人なしに20世紀のクラシック音楽は考えられませんから。

217377 「わが父ショスタコーヴィチ」(語り:ガリーナ・ショスタコーヴィチ、マキシム・ショスタコーヴィチ ミハイル・アールドフ・編、田中泰子・監修、カルチョールの会・訳/音楽之友社)

二人の子どもの目から見た素顔のショスタコーヴィチがわかる本です。彼らがプロコフィエフをからかった話とか、なかなか笑える話もあるし、無理やり共産党員にさせられたときのエピソードなど、ショスタコーヴィチの苦しみがじかに伝わってくるようです。闘う作曲家のイメージが何となくあるショスタコーヴィチですが、ぐっと近い存在になることうけあいです。何よりも読みやすいのがいいですね。

                                                    林田

2007/09/24

山と音楽と人。

三連休の最終日にオンエアすることが多い月曜日のamorosoですが

土日にかけて、強引に長野の戸隠神社を詣でてきました。

五つある神社のうち、奥社までの道のりが一番険しく、長いのですが

途中から樹齢700年以上もの杉が並ぶ山道のランドスケープは

スピリチュアルな感動を与えてくれるものでした。

チェリストのマリオ・ブルネロが富士山の頂上でバッハのチェロソナタを弾いた

気持ちが理解できました。山のパワーと神聖な空気には、人の精神を覚醒させる

ものがあると思います。

しかしながら、チェロを抱えながらの富士登山には、想像を絶するものがありますが・・・。

今日は、そんな山の話をしながら、夏の海外の音楽祭のレポートや、

ピアニストの小菅優さんについてトークしてみたいと考えています。

小田島

2007/09/21

慈愛、清貧、クラシック・・・

伝説のコミック「自虐の詩」か映画化され、主演の「幸江」を演じた中谷美紀さんに撮影のお話を聞く機会がありました。

すぐにちゃぶ台をひっくり返す暴力夫と、ひたすら耐える薄幸の妻・・・という図式は

ずいぶん古典的ですが、「嫌われ松子」でも美女を捨てた(?)演技で輝いていた中谷さんがヒロインなだけあります。

とてもモダンでコミカルな映画に仕上がっていました。

日本は物質的な貧しさを克服し、代わりに何を得たのでしょうか・・・。しみじみ考えながら

映画を見終えました。先週、マザーテレサのドキュメンタリー映画を見たのですが

そこでも似たことを考えました。カルカッタの本部のマザーテレサの部屋は

三畳もないほど小さくて、ベッドと机と聖書だけ。

あのリストも晩年はまったく資産を持たず、マザーテレサのように質素な生活を

していたそうです。

シューベルトをはじめ、クラシックの作曲家には貧困のうちになくなった人が多いのも

天からの試練だったのでしょうか・・・。

そんなことを考えつつ、トークしてみたいと考え中です。

新譜はユニバーサルからリリースされる、ミハイル・プレトニョフの

ベートーヴェンのピアノコンチェルト2&4番(指揮 クリスティアン・ガンシュ)

をご紹介します。

おだしま

2007/09/20

シベリウス没後50年

今日はシベリウス没後50年を記念して、シベリウスの交響曲をいくつかかけますのでお楽しみに。それから、今日の私のお気に入りのCDは

Jacket_across 「ACROSS THE UNIVERSE 嘆き、祈り、そして踊る…」(ピアノ:門光子 企画制作:アトリエ・カーサ 発売:MAレコーディングズ MAJ504)

選曲、演奏のクオリティ、アートワークの完成度、どれをとっても、これほど完成度の高い、しかもメッセージ性のあるCDはめったにありません。今後のパッケージソフトの進むべき方向性を示していると思いますし、ぜひCDとして手にとっていただきたい「作品」です。

こちらはオススメの本です。

0370m 「チャイコフスキーわが愛」(ジョージ・バランシン、ソロモン・ヴォルコフ著、斉藤毅訳/新書館)

私の大好きな本です。20世紀を代表する偉大な振付家バランシンが愛をもってチャイコフスキーの音楽について語っているのですが、生半可な解説や伝記などよりも、バランシンははるかにチャイコフスキーの音楽の核心を突いていると思います。この本を読む前と後とでは、チャイコフスキーに対する考え方が180度変わってしまうと言っても過言ではないのでは?

                                                    林田

2007/09/19

9月25日って

調べものをしていてふと気がつきました。ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906年生まれ)とグレン・グールド(1932年生まれ)って、どちらも9月25日生まれなんですね。この二人はこれからますます私たちにとって大切な音楽家になっていくと思いますが、今後9月25日は、彼ら二人の誕生日を一緒にまとめて祝うことにしたいと思います。もう来週ですよ!

201799 「ブラームス回想録集1~3」(天崎浩二 編・訳、関根裕子 共訳/音楽之友社)

作曲家ブラームスの素顔を直接知る友人たちによる、興味津々の回想録。これは本当に読みごたえがあります。人間ブラームスがどんな人だったのかをこれほど肌で感じさせてくれる一級の資料はないと思います。

                                                   

                                                   林田

2007/09/18

グレン・グールド没後25年

グールドが生きていたころ、この人は完全にゲテモノの範疇に入るピアニストで、いまのように誰しもが絶賛するような、神格化された存在ではまったくありませんでした。それが、この25年ですっかりグールドは偉くなり、神棚に祭り上げられるようになってしまいました。でも、忘れてはならないと思います。グールドは、クラシック音楽はこうであるべき、というふうな因襲からは、はるかに自由で、ひょうひょうとして、異端で、少数派で、孤独で、内気で、ひと気のないところにひっそりと神経質にたたずんでいた、稀有の個性的な人だったのだと。薄くて軽い音で、目の回るような幻惑的なスピードで弾いた「ゴールドベルク変奏曲」は、誰もが最初から感動したわけではなく、困惑したり、これはバッハじゃない、と思った人の方が圧倒的に多かったはずです。いまでこそ、これに感動しなければおかしい、みたいな金字塔になっていますが。

グールドは、芸術家のエゴや傲慢を軽蔑していました。「芸術家はサル山に住むサルだ」とさえ言っていました。むしろ評論家やジャーナリストや放送ディレクターのような人種とのコミュニケーションを好んでいました。そんな人は非常に珍しい。しかし、それは、裏を返せば、それだけグールドが一見孤独でありながら、素敵な友人に囲まれていたということの証明かもしれません。

Sin_03264_8 「となりのカフカ」(池内紀著/光文社新書)

カフカという作家の、どこにでもいるような隣人としての素顔、そして裏の危険で不思議な素顔を描いた、カフカ文学への最高の入門書です。小説を読むだけでは決してわからない、カフカの全体像を知ることで、さらにカフカに興味をもてるようになること、うけあいです。20世紀初頭のプラハという街の一断面に触れることができるという意味でも、優れた本だと思います。

2007/09/17

ニジンスキー・プロ

三連休の最終日は、またまた暑い夏日になってしまいました。

道行く人々も、口々に「暑い~」とつぶやいていたり・・・今年の秋の訪れは遅いようですね。

今日は土曜日に東京国際フォーラムで見て参りました東京バレエ団の

「ニジンスキー・プロ」のお話を中心に、音楽とバレエのお話をしていく予定です^^

来日が予定されていたウラディーミル・マラーホフこそ怪我で踊りませんでしたが

フォーゲル、ジュドなど世界的なダンサーが客演し、会場を沸かせていました。

日本は本当に、世界一ゴージャスなバレエ王国かも知れませんね。

おだしま

2007/09/14

音楽の秋 秋の音楽

9月、10月は来日ラッシュです。中でもすみだトリフォニーホールの

「ゴルトベルク変奏曲2007」は興味深い企画だと思いました。

アコーディオン、パイプオルガン、ピアノによるそれぞれのリサイタルで

この曲のさまざまな側面に光を当てようというものです。

マルティン・シュタットフェルトのリサイタル以来、このホールと「ゴルトベルク」は

どんどん縁が深くなっているようですね。

1920年代生まれのピアニスト、アルド・チッコリーニ、同世代のヴァイオリニスト

イヴリー・ギトリスもトリフォニーホールでコンサートを行います。

フランク・ペーター・ツィマーマンの新譜CDや、30回目の命日を迎える

マリア・カラスについてもトークでふれてみたいと思います。

小田島

2007/09/13

ラトルのハイドン

Img6 「ハイドン:交響曲集」(サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル EMI TOCE55993-4)

最近の新譜の中でも特に気になるものを、今後は木曜日に1枚ずつ取り上げていこうと思います。まずはラトル指揮のハイドン。「光り輝く砦」と比喩した批評がドイツでは出ているようですが、まさにそのとおりで、機知にあふれ、生き生きと弾けるようなこのハイドンは、「人生が俗悪に流れるのを押しとどめる」最良の聴きものだと思います。大曲や珍曲に頼らずとも、こうした優れたハイドンを聴かせられる指揮者こそ、本物ではないでしょうか。さすがラトルです。

09325016 「生き残った帝国ビザンティン」(井上浩一著/講談社現代新書)

歴史の教科書よりも、よほど熱く、よほど生き生きと、問題意識を喚起しながら、一千年の歴史を持つビザンティン帝国のめくるめく歴史をガイドしてくれます。キリスト教文化圏全体を考える上でも、この国の歴史を知ることは、とても大切なことのように思います。残念ながら入手困難な本ですが、図書館などでなら容易に読めるはずです。

                                                                   

                                                   林田

2007/09/12

雨のち晴れ

ぐずつきがちだった首都圏の空模様でしたが、ようやく晴れ間がのぞきました。私の自宅近辺では、お昼ごろ、かなりはっきりとした「天気雨」になったのですが、きっとどこかからは虹が見えたのではないでしょうか。どなたか、今日、虹を見た人、いらっしゃますか? 

3369010 「自由と社会的抑圧」(シモーヌ・ヴェイユ著、冨原真弓訳/岩波文庫)

以前自分のブログでも紹介した本です。吉本隆明さんの影響でヴェイユを読むようになったのですが、本書を読んでいると、労働の本質について誠実に希求するその姿勢に心打たれます。こういうまじめな人が、私は大好きなのです。

                                                   林田

2007/09/11

チューリッヒ歌劇場

先週、来日していたチューリッヒ歌劇場「椿姫」「ばらの騎士」は、いまもまだ余韻が耳に残っています。やはりライブは違いますね。休憩時間には、文化村の楽屋口から表に出て、コンビニにおやつやお茶を買いに走るオーケストラのメンバーの姿が見られて、微笑ましい感じでした。ついつい、コンビニで「さっきのはよかったですよ」と声をかけてしまいました。

7005096 「さっと書けて心が伝わる英文メール術」(佐々木かをり、ダーシー・アンダーソン著/アルク)

今回は趣向を変えて、実用書です。英文のメールのマナーって、結構わからなくて困るんですよね。文法や単語の知識があるだけではメールは書けません。私もいつも苦労しているのですが、本書では、学校では教えないいろいろなマナーや、ちょっとした言葉遣いのコツを例文付きで解説してくれるので、ぐんと英文メールが書きやすくなります。挨拶のイロハから、一人称で始まる文章をあまり続けるなとか、もっとポジティヴな動詞を使えとか、実は日本語のコミュニケーションのヒントにもなる本です。

                                                   林田

2007/09/10

ラシュコフスキー、イゾルデの愛の死

土曜日にさいたま芸術劇場で聴いてきたシベリア出身のピアニスト、

イリヤ・ラシュコフスキーのリサイタルは、今年聴いた若手ピアニストの演奏の中でも

心に残るものでした。23歳という年齢で、曲の「喪」の感覚を描き出す感性に

大物の器を感じました。アーティストにとって、やはり地球年齢というのはあってないような

ものなのかも知れません・・・・リスト編曲のワーグナーの超絶技巧も見事でした。

今日はラシュコフスキーのコンサート・ルポ、そしてクラシックの名曲に描かれた

「死」についてトークする予定です。イゾルデやジュリエットやメリザンドの美しい死の

テーマを、お楽しみください・・・。

おだしま

2007/09/07

モードとオペラの秋

昨晩の台風はすごかったですね

自然の脅威を久々に感じました。風の音で眠れなかったのは久しぶりです。

そして、季節はどんどん秋めいてきました。アートと音楽とファッションの秋です。

今日は、先日風雨の中見てきました東京二期会のオペラ「仮面舞踏会」について

そしてファッションとモードについてお話する予定です。

イタリアとフランスのモードの根本的な違い、大手グループ買収による

デザイナーの創造力の危機などについて、トークできればと思います。

アンジェラ・ゲオルギューの新譜「愛の喜び スカラ座リサイタル・ライヴ」EMIクラシックス

のご紹介もお楽しみに^^

小田島

2007/09/06

パヴァロッティ

3大テノールの一人として一時代を築きあげてきたルチアーノ・パヴァロッティが亡くなりました。彼の声をきっかけにオペラを好きになった人は多いと思いますし、私も彼の歌には衝撃を受けた一人です。バブル期のオペラブームの象徴でもありましたが、そこにいるだけで強烈な存在感を放つことの出来る唯一無二の人でもありました。また、キャリアの後期に、ジャンルをこえて彼がチャリティに積極的に取り組んだことも、改めて評価すべきことのように思います。

22876b 「グスタフ・マーラー 愛と苦悩の回想」(アルマ・マーラー著、石井宏訳/中公文庫)

この本のディテールの真偽を問う声も聞かれますが、まぎれもなくこれは美しい本であり、アルマと夫マーラーの愛の証です。ブルックナーやロットやトスカニーニやロラーのことなど、当時の重要人物のエピソードがたくさん出てくるのも魅力です。

                                                 林田

2007/09/05

熱帯性気候?

台風が接近しているせいでしょうか、今日の東京地方は、土砂降りになったり、陽が差したりと、まるで熱帯性気候です。蒸し風呂のような湿気もすごい。いつか行った沖縄を思い出しますね。

4121015673 「ヨハン・シュトラウス ワルツ王と落日のウィーン」(小宮正安著/中公新書)

シュトラウス・ファミリーをテーマにした単なる音楽書にとどまらず、19世紀のウィーンの置かれた状況が鋭く描かれていています。たとえば、株の大暴落や経済状況の悪化、皇室の家族の不和とか、ハプスブルク帝国のいろいろな衰退を示す現象の中で、ウィンナ・ワルツがなぜ熱狂的に受け入れられていったのかなど…。考えさせてくれる音楽書として、大変すぐれた、面白い読み物だと思います。

                                                    林田

2007/09/04

旭山動物園

子供の夏休みの最後を利用して、週末に、今話題の旭山動物園に行ってきました。上野動物園を上回る人気の秘密が何なのか、身体で実感。確かに、こんなに動物園って面白くてスリリングで知的なエンターテインメントだったのか、と目からウロコが落ちるような工夫がいっぱいでした。単に珍しい動物飼って見せりゃいいんでしょ、ではなく、こんな風に動物を感じて欲しい、というスタッフの熱意が、園の隅々にまで反映されていて、とても素晴らしい動物園でした。環境問題にも踏み込んだスタッフの手書きの説明など、とても面白いもので、大人にこそ体験して欲しい動物園です。

4560028354 「ベートーヴェンの遺髪」(ラッセル・マーティン著、高儀進訳/白水社)

1994年にサザビーズの競売にかけられたベートーヴェンの遺髪をめぐるノンフィクション・ドキュメンタリーです。ベートーヴェンその人の息吹きが伝わってくるような迫真の筆致で、手から手にと数奇な運命を辿りながら渡ってきた様子に加え、ベートーヴェンの生前の生き様が描かれています。ベートーヴェンについて書かれた本は、以前は多くの場合良くも悪くも神格化されたものが多かったと思いますが、これは科学のメスが入れられていることで、かえってベートーヴェンの偉大さがリアルに感じられます。

                                                   林田

2007/09/03

マゼール、グリモー、ラシュコフスキー・・・

九月になってすっかり空気が凛としてきました。脳もしゃきっとしてきた感じです。

音楽の秋、到来! 気分的にはそんな感じで盛り上がっています。

今日から来日公演を行っている、ロリン・マゼール率いるトスカニーニ交響楽団や

新譜をリリースしたピアニストのエレーヌ・グリモー、来日間近のロシアのピアニスト

イリヤ・ラシュコフスキーについてトークしてみたいと思ってます。

グリモーとドレスデン国立管弦楽団・ウラディーミル・ユロフスキ指揮の

「ベートーヴェン ピアノ協奏曲第五番 皇帝  ピアノソナタ第28番」の日本盤は

9/26。私は外盤で買ってしまいましたが、日本盤にはボーナストラックとして

ベートーヴェンのソナタ14番が入るそうです。

自分の資質とはかけ離れた作曲家に取り組むグリモーの姿勢に

とても果敢ですがすがしいものを感じました。

小田島

profile

林田直樹

 音楽之友社に13年間在職、「音楽之友」「レコード芸術」などの編集に携わり、「グランドオペラ」の創刊にもかかわる。現在は、フリーのクラシック評論家として活躍。著書に「クラシック新定番100人100曲」(アスキー新書)など。 その他多くの新聞・雑誌・CDライナーノート・公演プログラムやAmazon.co.jpの音楽コラム等にも寄稿。

小田島久恵

 高校時代より洋楽雑誌「ロッキング・オン」に投稿ライターとしてロック評論を執筆、1991年から同誌に編集としてかかわる。2001年からクラシック批評を積極的に執筆開始。最近では、クラシック以外にも様々なジャンルも取り扱い、情報誌やファッション誌でも書評・コラム・エッセイなどを執筆。

2010年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

カテゴリー

program link

Copyright© 2007 OTTAVA - All rights reserved

OTTAVA TOP